そば打ちvol. 2

つなぎ粉を入れない十割そばの魅力はさることながら、ここでは家庭で打ちやすく、のどごしスッキリ、つなぎ粉が2割入った二八そばで打ちたてのそばを楽しんでください。
そばの生地は、パンやピザ生地よりもうんと固いため、全身、全体重を使う相当な力仕事です。
あまりのしんどさにパン焼き器に放り込んでみたこともありましたが、生地が固くてヘラが動きません。
力仕事を少しでも楽にするため、加水に熱湯を使うという方法があるようですが、せっかくのそばの香りを楽しむために、ここでは12.5℃の水を使います。
多くの工程を踏みますが、各工程にはそれぞれに意味があるようです。
気温、湿度、水温、力加減などあらゆる要因で、打つ間中、毎度微妙な差異が認められます。
それを補正する技術には10年以上の修行が必要のようですが、毎回、生地の肌触りが同じでないことに驚きを感じながら楽しむことが家庭でのそば打ちの醍醐味かもしれません。
道具、材料については、そば打ちvol. 1をご覧ください。

【そば1キロ玉】
そば粉      550g
つなぎ(割粉)  183g
水        330g
打ち粉      適宜
そば粉(とつなぎ粉)をふるう

そば粉をふるいにかける

毎年秋の新そばは、緑がかったウグイス色

とってもいい香りが漂う

水回し

加水量は、粉(そば粉とつなぎ粉)の45%
1回目の加水は、90%ぐらいをまわし入れる
全体に水が回って、そばのかたまり具合を確認し、残りを少しずつ加える
温度や湿度などで水量はミリ単位で微妙
加水し過ぎると廃棄することになるため少しずつ

片手で全体に水をなじませたら、指を立て、両手でグルグル円を描くように混ぜ、粉同士をこね鉢の中央でぶつけるようにする

混ぜるときの足は、こんな感じ
前後に開き、腰を落として体全体でリズミカルに

粉をぶつけているとだんだん小豆大からゴルフボール大になってくる
そうなればひとつにまとめていく

練り

練り込む前に手を洗って指先などについたそば粉を落とす
生地をまとめ、表面がツヤツヤになるまで体重を使って押し込むように練る

菊練り

生地がツヤツヤになったら、手の腹を使って、外から中へ、外から中へと生地を練り込む
細かくヒダができるように回し練り、菊まんじゅうのような形に

円錐

すり鉢のカーブを使って生地をハーシーのキスチョコ型にする
これは生地の中に含まれた空気を抜く工程
次に頂点を下にしてての腹で押し込みペチャンコにする

鏡餅

面打ち台に打ち粉をふり、生地をのせる

手のし

右手の腹で体重をかけながら押し込み、左手は手前に回すことで反時計回りに回転させながらのしていき、ピザのLサイズぐらいになるまでのす
生地の中央は中高に残す

丸のし

生地を時計のように12等分に打ち粉で印を付け、のし棒を使って反時計回転させながら、回転できないくらいの大きさまで中心部分から外へ外へとのす
ここでも生地の中心は微妙に中高になるようの残しておく

生地は回転させず、のし棒を使ってきれいな円形になるように全体をのす
ここで中心の中高を使って、足りない部分にのしていく

四つ出し

のし棒で巻き、パッタンパッタンと手前に引きながら角を出す
ひっくり返して反対の角を出す
さらに向きを変えて角を出し、全体を四角形にする

肉分け 巾出し 

全体の厚みを均等にし、長さを整える

本のし

生地の半分をのし棒で巻き、残りの半分のうち、4分の1ずつもう1本ののし棒でのし、厚さを確認する
回転させて残りの半分も同様に

たたみ

のし棒に巻いた生地を縦にに持ち、折るたびに打ち粉をたっぷりふり、3つ折りにする

上から下に向かって半分に折り、次にさらに上から下に向かって半分に折る
4つ折りになったら、上下逆転させたっぷりの打ち粉をふったまな板に載せる
まな板の打ち粉が少ないと切るときに引っかかる

切り

包丁は人差し指で支えるように握るのがコツ

左手の指は中指、薬指を折り、3本の指で駒板の端から離したところで押さえる
包丁は切ったら歯を倒し、倒した幅でそばの幅を決める

リズミカルにひとり分ほど切ったら、上部を切り落とし、揃える

打ち粉を振り落としながら、並べる

なるべく大きな鍋にたっぷりの湯を沸騰させ、そばを1分30秒茹でる
そばは少量ずつ茹でる
湯の対流で茹でるため、箸を入れないようにする

ザルにあげて流水でよく洗い流し、しっかり水切りをする
さらしねぎとわさびのすりおろしで